知って役立つコード理論その8~テンションコードのまとめ~
- rguitarr7
- 2017年7月8日
- 読了時間: 4分
今回は【テンションコードのまとめ】について説明していきます。これを理解する為には【トライアド】、【4和音】、【5和音】、【6和音】、【7和音】について理解している事が前提になります。
なので、【トライアド】について知らない方は、知って役立つコード理論その1、その2 を 【4和音】について知らない方は、知って役立つコード理論その3、その4 を、 【5和音】、【6和音】、【7和音】について知らない方は、知って役立つコード理論その5、その6、その7 をご参照下さい。
1. 基本的な形以外の5和音とは?
2. テンションノートは[9,11,13]だけじゃない。
3. テンションコードに慣れよう。
上記3つについて項目毎に説明していきます。
1. 基本的な形以外の5和音とは?
以前の記事で説明した通り、【基本的な5和音】の5つの音とは、 1度、3度、5度、7度、9度 を基にした音です。
*基本的な4和音 + 9度
これ以外にどのような5和音があるのかいくつか例を見てみましょう。
基音をCとして考えてみましょう。
例)
1. C7(9) (C,E,G,B♭,D), (1,3,5,7♭,9) = C9
2. Cm7(9) (C,E♭,G,B♭,D), (1,3♭,5,7♭,9) = Cm9
3. C7(11) (C,E,G,B♭,D♭), (1,3,5,7♭,11) ≠ C11(1,3,5,7♭,9,11)
4. Cm7(11) (C,E♭,G,B♭,D♯), (1,3♭,5,7♭,11) ≠ Cm11(1,3♭,5,7♭,9,11)
5. C7(13) (C,E,G,B♭,D♭), (1,3,5,7♭,13) ≠ C13(1,3,5,7♭,9,11,13)
6. Cm7(13) (C,E♭,G,B♭,D♯), (1,3♭,5,7♭,13) ≠ Cm13(1,3♭,5,7♭,9,11,13)
まずは、この6つの例から説明していきます。
これらの様なコードは、
【基本的な4和音】 + (テンションノート)
となっています。この様に()で括られている音をそのまま足すだけなのです。
例えば、
1.C7(9)の場合は、C7に9thを足す。すると、C9、と同じ意味合いとなります。
2.そしてCm7(9)も同様で、Cm9、と同じ意味合いとなります。
3.C7(11)の場合は、C7に11thを足す。すると、C11とは異なり9thの音が含まれません。
4.そしてCm7(11)も同様で、Cm11とは異なり9thの音が含まれません。
5.C7(13)の場合は、C7に13thを足す。すると、C13とは異なり9th,11thの音が含まれません。
6.そしてCm7(13)も同様で、Cm13とは異なり9th,11thの音が含まれません。
という様に、違いが生じます。
2. テンションノートは[9,11,13]だけじゃない。
表題どおりですが、テンションノートは、【9,11,13】以外にもあるんです。どの様なものがあるか見ていきましょう。
9th : 9♭, 9 , 9♯
11th : 11 , 11♯
13th : 13♭, 13
これらの7つが全てのテンションノートです。
これらの音を鍵盤上で確認してみましょう。

この様になります。ちなみにCを基音としています。
これらのテンションノートを使ったテンションコードには、どの様なものがあるか少し見ていきましょう。Cを基音に考えてみましょう。
1. C7(9♭) (C,E,G,B♭,D♭), (1,3,5,7♭,9♭) ≠ C9(1,3,5,7♭,9)
2. C7(9♯) (C,E,G,B♭,D♯), (1,3,5,7♭,9♯) ≠ C9(1,3,5,7♭,9)
3. Cm7(9♭) (C,E♭,G,B♭,D♭), (1,3♭,5,7♭,9♭) ≠ Cm9(1,3♭,5,7♭,9)
4. Cm7(9♯) (C,E♭,G,B♭,D♯), (1,3♭,5,7♭,9♯) ≠ Cm9(1,3♭,5,7♭,9)
5. C7(11♯) (C,E,G,B♭,D♯), (1,3,5,7♭,11♯)
6. Cm7(11♯) (C,E♭,G,B♭,D), (1,3♭,5,7♭,11♯)
7. C7(13♭) (C,E,G,B♭,A♭), (1,3,5,7♭,13♭)
8. Cm7(13♭) (C,E♭,G,B♭,A♭), (1,3♭,5,7♭,13♭)
9. C7(9♭,11♯) (C,E,G,B♭,D♭,F♯), (1,3,5,7♭,9♭,11♯)
10. C7(9♭,9♯) (C,E,G,B♭,D♭,D♯), (1,3,5,7♭,9♭,9♯)
11, C7(11♯,13♭) (C,E,G,B♭,F♯,A♭), (1,3,5,7♭,11♯,13♭)
この11個の例について説明していきます。
これらの様なコードは、
【基本的な4和音】 + (テンションノート)
となっています。この様に()で括られている音をそのまま足すだけなのです。
*これは前項と同じですね。
例えば、
1. C7(9♭)の場合は、C7に9♭を足す。すると、C9、とは異なる意味合いになります。理由はC9の9thはナチュラル9(♯、♭がつかない9)が含まれているからです。
2. そしてC7(9♯)も同様で、C9、とは異なります。
3. そしてCm7(9♭)も同様で、Cm9、とは異なります。
4. そしてCm7(9♯)も同様で、Cm9、とは異なります。
5. C7(11♯)の場合は、C7に11♯を足すだけ。
6. そしてCm7(11♯)も同様に、Cm7に11♯を足すだけ。
7. C7(13♭)も同様に、C7に13♭を足すだけ。
8. そしてCm7(13♭)も同様に、Cm7に13♭を足すだけ。
そして、9,10,11 の様にテンションコードを複数含める場合もあります。
9. C7(9♭,11♯)は、C7に、9♭,11♯ を足す。
10. C7(9♭,9♯)は、C7に、9♭,9♯ を足す。
11. C7(11♯,13♭)は、C7に、11♯,13♭ を足す。
という様になる。
3. テンションコードに慣れよう。
このコード理論の回で恒例になりつつある練習問題のコーナーです(笑)
何となくでも理解出来た方は、更なる理解を深める為にいくつかの練習問題をやってみましょう!!
○練習問題
次のコードの構成音を書きましょう。
例1)G13 答(G,B,D,F,A,C,E)
①Em9(9♭) 答( , , , , ) ②FM7(11#) 答( , , , , )
③G7(9♭,9♯) 答( , , , , , )④Am7(9,13♭) 答( , , , , , )
⑤F7(9♭,9♯,13) 答( , , , , , , )⑥Em13 答( , , , , , , )
⑦F6(9) 答( , , , , ) ⑧C11 答( , , , , , )
答えはページの一番下に用意しておきますので、答えを確認してみて下さい。
・まとめ
いかがでしょうか?今回でコード理論の話は一旦終了となります。長かったですね〜〜(笑)
僕としてもなるべく簡単に説明していこうと思ったのですが、話しの本筋と補足を含めているうちに、その8まで続く大作となってしまいました。
ここまでの内容が理解出来れば、どんなコードが出てきても一通りは分かる様になったと思います。
分からない方は、焦らずに、トライアド、4和音等から、また復習してみるなどして、1つ1つ着実に覚えていきたいところですね。
そして、ここまで理解出来た方も忘れない様に、しっかりと覚えるまで反復して、確実に覚えましょう!!
この超大作にお付き合い頂きありがとうございました!!
*最後に前項での練習問題の答えを載せておきます。
①Em9(9♭) 答(E,G,B,D,F) ②FM7(11#) 答(F,A,C,E,B)
③G7(9♭,9♯) 答(G,B,D,F,A♭,A♯) ④Am7(9,13♭) 答(A,C,E,G,B,F)
⑤F7(9♭,9♯,13) 答(F,A,C,E♭,G♭,G♯,D) ⑥Em13 答(E,G,B,D,F#,A,C#)
⑦F6(9) 答(F,A,C,D,G) ⑧C11 答(C,E,G,B♭,D,F)
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